私はプログラマーではありません。
ホームページを作ったり、HTMLやCSSを少しいじったりした経験はありますが、プログラムをゼロから書いて、パソコン用のアプリを完成させられるほどの知識はありません。
そんな私が今、AIと一緒にデスクトップアプリを作っています。
アプリの名前は「MADOCHI(マドチ)」。
パソコンの画面上にキャラクターを常駐させ、仕事中や作業中にそっと寄り添ってくれる、デスクトップマスコットのようなアプリです。
きっかけは、昔あった「伺か」
昔のWindowsには、「伺か(うかがか)」というデスクトップアクセサリーがありました。
画面の端にキャラクターが立ち、ときどき話したり、表情を変えたりするソフトです。作業に必要不可欠なものではありません。いなくても、パソコンは普通に使えます。
でも、いると少し楽しい。
効率や生産性とは別のところで、パソコンに愛着を持たせてくれる存在でした。
最近、AIデスクトップペットやデスクトップマスコットについて調べているうちに、この「伺か」のことを思い出しました。
「いまのAIを使えば、昔とは違うデスクトップキャラクターを作れるのではないか」
そんな話をAIとしているうちに、気づけば実際にアプリを作り始めていました。
思いつきというものは、ときどき恐ろしい推進力を持っています。
コードはAIに書いてもらう
MADOCHIの開発では、AIに相談しながら仕様を決め、必要なコードを書いてもらっています。
私がやっているのは、主に次のようなことです。
- どんなアプリにしたいかを伝える
- AIが提案した機能から、必要なものを選ぶ
- 実際に動かしてみる
- おかしなところを見つける
- エラー画面や症状をAIに伝える
- 修正されたものを、もう一度試す
こうして書くと簡単そうですが、実際には「Electronとは何か」「npmとは何か」「このエラーは何を怒っているのか」など、分からないことが次々に出てきます。
AIがコードを書いてくれても、ボタンを一度押せば完成するわけではありません。
エラーが出れば止まります。OSが変われば動かなくなることもあります。そして私も、ときどき間違った操作をして、元気に問題を増やします。
それでも、エラーの内容をAIに見せると、原因の候補を整理し、次に確認することを教えてくれます。
以前なら、専門書や検索結果を何時間も読み、専門用語の意味を調べるところから始めなければなりませんでした。今は「これは何?」「次はどうすればいい?」と、その場で聞きながら進められます。
分からない人の横に、何度質問しても嫌な顔をしない技術者が座っているような感覚です。
Linuxで作り、Windowsへ持っていく
MADOCHIの試作は、最初にLinux MintというOSを使って始めました。
その後、将来的にWindowsやMacでも使えるようにしたいと考え、Electronという仕組みで開発を進めています。
Linuxで作ったものをGitHubへアップロードし、それをWindowsパソコンに移して、Windows版として動かす作業にも挑戦しました。
もちろん、素直には動いてくれません。
開発中には、Windows側でエラーが続き、「Linuxで作り始めたのが間違いだったのか」と不安になったこともありました。
ところが調べていくと、MADOCHI本体ではなく、開発に使っていた環境内の実行制限が原因だと分かりました。通常のWindows環境では、開発版もパッケージ版も正常に起動しました。
アプリが悪いと思っていたら、試験会場のほうに問題があったわけです。
こうした原因の切り分けも、AIと一緒でなければ、私は途中で諦めていたかもしれません。
「AIが作った」だけでは完成しない
AIにコードを書いてもらっていると言うと、「それなら誰でも作れる」と思われるかもしれません。
確かに、アプリ開発の入口は大きく下がりました。
以前の私なら「デスクトップアプリを作りたい」と思っても、プログラミングを何年か勉強してからでなければ無理だと考えていたでしょう。
今は、作りたいものを言葉で説明できれば、とりあえず試作品を動かすところまで進めます。
ただし、AIは「何を作りたいのか」までは決めてくれません。
キャラクターをどこに表示するのか。どのように動かすのか。機能を増やすのか、あえてシンプルにするのか。誰に使ってほしいのか。
AIが10個の案を出しても、どれを選ぶかは人間の仕事です。
実際に使って、「なんとなく違う」「これは楽しい」「ここは面倒だ」と判断するのも人間です。
コードを書く作業の多くをAIに任せられるようになっても、企画、選択、確認、修正は残ります。むしろ、何を作るのかという部分が、これまで以上に重要になるのかもしれません。
MADOCHIでやりたいこと
MADOCHIは、まだ開発途中です。
まずは、キャラクターがデスクトップに常駐し、表情や動きで作業中の人に寄り添ってくれるアプリを目指しています。
将来的には、キャラクターを差し替えられる仕組みや、着せ替え、簡単な会話、作業を邪魔しないアシスタント機能なども考えています。
ただ便利なだけではなく、「この子がいるからパソコンを開きたくなる」と思ってもらえるものにしたい。
昔のデスクトップマスコットが持っていた楽しさと、現在のAI技術を組み合わせたら、どんな存在になるのか。
私自身、まだ分かりません。
分からないからこそ、作ってみようと思っています。
コードを書けなくても、作り始めることはできる
私は今でも、自分をプログラマーだとは思っていません。
表示されたコードを見ても、すべてを理解できるわけではありません。それでもAIに質問し、実際に試し、失敗しながら、少しずつアプリの形を作れるようになりました。
AIは、何もしなくても完成品を出してくれる魔法ではありません。
けれど、「知識がないから無理だ」と諦めていた場所まで、一緒に歩いてくれる相棒にはなります。
コードを書けない私が、AIとアプリを作り始めた。
少し前なら、自分でも信じなかった話です。
MADOCHIがこれからどんなアプリに育っていくのか。開発中に起きたことや、AIと一緒にものを作る面白さ、失敗談なども、今後このホームページで紹介していきたいと思います。

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